ガンディーに学ぶ「怒り」と「憤り」の違い
拝啓、お元気ですか?
最近、本から大いに感銘を受けたことがあります。それは「怒り」と「憤り」の違い。
「憤りを感じる」なんて政治家が使う”かしこまった言葉”ぐらいにしか思っておらず、これまであまり両者の違いを考えたことなかったのですが、この説明を受けて大いに納得しました。
人間は快・不快な出来事への生理的反応として「情動」が湧きおこる生き物です。例えば他人から褒められたら嬉しかったり、お腹が空いたらイライラしたり。その湧いてくる情動自体は止めることはできませんし、避けることや無かったことにすることもできません。
ただ、その情動に対する自分の反応の仕方はコントロールはできます。情動に飲み込まれて衝動的に反応を示すのか、それとも冷静に反応を示すのか。そして、それは自分が自己統制がどれだけできるかによって変わってきます。
「怒り」と「憤り」はその違いを巧みに表しています。
湧き上がってきた情動に飲み込まれて衝動的に出される反応が「怒り」、湧き上がってきた情動を上手に自分でコントロールしながら出される反応が「憤り」です。
インド独立の父、マハトマ・ガンディーは公民権運動や独立運動など様々な政治的活動を行なっていましたが、彼が抱いていた感情は自己統制にもとづいた「憤り」でした。ですから、どんな理不尽なことに対しても「非暴力・不服従」で冷静に思いやりのある心で対応したのです。
もしガンディーが衝動的な「怒り」を抱いていたらどうなったでしょう?きっと「暴動」など、もっと暴力的で過激な政治的活動になっていたのではないでしょうか?インドが平和的に独立を成し遂げることができたのは、指導者であるガンディーがしっかり自己統制ができる人物だったからなのです。
そう考えると、最近の政治家は自己統制できない人たちが増えてきているような気がしてなりません。一国の大統領でさえ「怒り」で外交関係をダメにしてしまうのですから…
湧いてくる情動そのものは隠すことも抑えることもできませんが、それにどう反応するかは私たち自身で選ぶことができます。そう考えると「自己統制」するスキルってとても大切なぁとつくづく思うのです。
【参照】
サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法
- 作者: チャディー・メン・タン,ダニエル・ゴールマン(序文),一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート,柴田裕之
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2016/05/17
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