自戒※陽の気が見え始めたとしても、いつ陰に反転するかもしれない
拝啓、お元気ですか?
本日の易経の部、このような卦が出ました。
24.地雷復(ちらいふく)
復は亨る。 出入疾なし。 朋来りて咎なし。 その道を反復す、七日にして来復す。 往くところあるに利あり。
ふくはとおる。でいりやまいなし。ともきたりてとがなし。そのみちをはんぷくす。なのかにしてらいふくす。ゆくところあるにりあり。
キーワードは「回復」。下の雷の上に地が配置する卦です。陽の気がようやく見え始めましたが、まだ地の下で雷鳴が響いている…そんなイメージでしょうか。
復は亨る。 出入疾なし。
復活し願いごとは叶う。出処進退に遮るものなし。
朋来りて咎なし。 その道を反復す、七日にして来復す。
長らく会わなかった友が戻ってくる。彼らにもいいことはある。しかし戻ったものは去っていくし、去ったものは戻ってくる。
往くところあるに利あり。
いくところに良いことがある。
回復ムードではあるが、今は小を大に育てる努力をする時。機を逃してはなりません。しかも変卦で山地剥 (さんちはく)とあり、少し前までは衰退の卦ということです。気を緩めるとせっかくの陽の気がするりと去るかもしれません。
ここに易ならでは教えがあって、人生には陰も陽もあり陰の期が過ぎれば陽に反転するし、陽の期が過ぎれば陰に反転する。同じ機運がずっと続くものではなく、無常ですよと。
また爻辞に次のようなメッセージが出ています。
六四・・・突如思わぬ出来事に見舞われ取り乱す。機は熟していない。慌てることはない。
上六・・・いたずらに迷うと時期を失する。時期を失すると成るものも成らない。
確かに「復」の卦は陽の気の回復する兆しを意味するものです。
でもそんな単純な話ではなく、
このままいつ消えてもおかしくない機運だから、この機を逸しないように、小を大に育てる努力も必要。そして機はまだ熟していないから慌てない様に。でも迷うと機を逸しますよと。
私たちの人生は陰陽が絶妙に入り混じったものなのですから。