過ぎたるは及ばざるが如し。陽の気が盛んな時ほど中庸を心掛けたい。
拝啓、お元気ですか?
朝から気がかりな事があって易を立ててみました。
そして出たのがこれ。
28.沢風大過(たくふうたいか)
大過は棟撓(むなぎたわ)む。 往くところあるに利あり。亨る。
卦象を見ると4つの陽(剛)を上下両端の陰(柔)が支えていてかろうじて持ちこたえている。陽の気が強すぎる卦象です。
一般的に陽の気が盛んなのはいい事ですが、過剰になると不安定さを増してしまうのです。
ですから卦辞はこうなっています。
屋根の重さに耐えきれず棟木(屋根の横木)が軋んでたわんでいる。何事も過ぎたるは及ばざるがごとし。あまり物事を強引にしてはならないが、ゆくところに利はある。
易では【中庸】という陰陽のバランスを重視することを大切にしています。
積極的すぎず、消極的すぎず。
明る過ぎず、暗過ぎず。
情熱的すぎず、冷静すぎず。
偏り過ぎることなくバランスをとり、中正を保つ。
この卦から見えるのは
陽の運気が過度に盛大であるのは悪いことではないが、全体のバランスを欠くと転倒の恐れはある。しかし「大過の時、大いなるかな」。大過でなければならない時もある。勝負を恐れていてはいつまでたっても道は開けない。
実は仕事上でちょっとした行き違いがあり、どうしたものかと思い悩んでいました。
積極的に主張することもできる。
消極的に折れることもできる。
今の私に必要なのは中庸。
そして強引にではなく、バランスをとりながら前に進む力。
この卦はそう告げているのだと納得した私は、感情的にならずに、しかし臆することなく、こちらの要望を伝えさせていただきました。
何事も過ぎたるは及ばざるが如し。
感情・エネルギーのバランスをとりながら、前に進んでいく。
いつの時も大切にしたい教えです。