陽の気が盛んな時に自分の足元をすくうのは『慢心』。55.雷火豊
拝啓、お元気ですか?
相変わらず、毎朝易を立てています。毎日それぞれの卦を学び、だんだん易の教えが理解できるようになってきました。
易はやはり深い。そして真理を説いている。そう思えてなりません。
今朝の卦
55.雷火豊
豊は亨(とお)る。 王之(これ)に假(いた)る。 憂(うれ)うることなかれ。 日中に宜(よろ)し
豊は叶う。王者がこれに至る。案じることはない。日中の太陽のように陰日向なくいつも温かい気持ちで接するならば
有り難く嬉しいお告げですが、戒告もあります。物が豊になるのと心が豊になるのとは必ずしも一致しません。また人間は欲の生き物。その豊さに慣れてしまい、更なる豊さを求めるようになってしまう。
「足るを知る」
このような良いお告げが出て運気が上がっている時ほど心掛けたいものです。
また物事に永遠などありません。豊が長く続く訳ではないということを心に留め、それを当然とはせず、今ある豊に感謝することが大切です。
また卦辞にあるように、心得あれば案ずることはありません。その心得とは、日中の太陽のように誰隔てなくいつも温かい心で接することです。そうすれば、豊を維持し発展することもあるでしょう。
この卦は今の私をドンピシャで表しています。実はつい最近、仕事先で認められて待遇が上がるという出来事がありました。環境も何もかも一から出直し状態で始めた私にとって、徐々に周囲に認められていくことは本当に有り難く嬉しい出来事です。
でも良い卦が出た時ほど、気を引き締めるようにしています。何故なら陽の気が盛んな時に自分の足元をすくうのは『慢心』だからです。
人間は自分が苦しい時は神に頼み、自分が好調になると神の恩恵を忘れがち。豊かになれば『慢心』によって、自分が恩恵を受けていることへの感謝が薄れ、苦しかった時のことを忘れていく。
易は教えてくれます。陰も陽も全ては流れていくものだと。
有り難く陽の恩恵を受けている時ほど、襟を正して、陽の気に舞い上がることなく、感謝し、正しく努力を積み重ねたいものです。