人生は陰陽移ろいでゆくもの。だからこそ心得たい中庸
拝啓、お元気ですか?
易を立てるようになって、良かったことがあります。
それは「人生の陰陽は流れるように移ろいで行く」ことが肌で分かるようになった事です。
最近の私の卦を見ても陰陽の流れがあることがハッキリわかります。
11/01
39.水山蹇(すいざんけん)
蹇(けん)は、西南に利あり、 東北に利あらず。 大人を見るに利あり。貞(ただ)しくて吉。
足が利かない身では険しい山へ向かうのは良くない。平坦で地道な道を進むと良し。信頼の置ける人物の力を借りた方がいい。正しく行えば苦難を抜け出せる。
11/02
20.風地観(ふうちかん)
観は盥(てあら)いて薦(せん)せず。 孚(まこと)ありて顒若(ぎょうじゃく)たり
手を洗っただけでお供えもまだしていないうちから、誠心誠意仰ぎ見る。真の観るとはこういうことである。
11/03
47.沢水困(たくすいこん)
困は、亨(とお)る貞(ただ)し。 大人は吉にして咎(とが)なし。 言うことあれど信ぜられず
困窮するが正しい心で凌げば亨る。信頼できる人に頼るのは吉。言い訳をしても誰も耳を傾けてくれないし、事態も変わらない。
11/05
54.雷沢帰妹(らいたくきまい)
帰妹(きまい)は征けば凶。 利するところなし
進めば凶。事の始まりに無理がある。強行してもいい事なし
11/06
1.乾為天(けんいてん)
乾は元(おお)いに亨(とお)る、貞(ただ)しきに利あり。
大いに願い事が叶う。正しい心でいれば良し。
11/07
34.雷天大壮(らいてんたいそう)
大壮は、貞(ただ)しきに利あり。
大いに盛んである。勢いに押されぬようしっかり律して正しく心せよ。
いかがでしょうか?たった1週間ほどでもこれほど目まぐるしく陰陽が移ろいで行きます。四大難卦と言われている水山蹇(すいざんけん)、沢水困(たくすいこん)から乾為天(けんいてん)、雷天大壮(らいてんたいそう)まで。
以前このブログでも書きましたが、若干トラブルの芽を抱えていました。確かに表立ってはいないが、奥底で燻っている火種。人間だからこそ抱える人間関係の確執と言いましょうか。
アレルギー反応的に「この人の虚飾癖、苦手」と思っていたのですが、そういうことを考えていると自然と相手にも伝わるのですね。やはりどこか関係がギクシャクする。
それでも苦し紛れに大人の対応で誤魔化していたら、事もあろうに四大難卦が出た。いよいよ誤魔化しも駄目かと心したのですが、例え苦手な相手だとしても、ご縁を断ち切る人ではないと思ったのです。それにお世話になっている。やはり感謝の気持ちは忘れてはならないな〜と。
これは私のアレルギー反応だから、私がアレルギー反応を起こさないようにコントロールすれば良いのだと。そう、どこかで開き直れたのです。そうすると相手との距離の取り方、癇に障った時の自分の心への対処の仕方などがうまく出来るようになってきた。以前ほど、そのネガティブな感情に捉われなくなってきたのです。
きっと荒魂が事を荒立てるか、和魂が事を治めるかの瀬戸際だったのかもしれません。その瀬戸際に立つとやはり事を荒立てたくない。このままで良いのかと。冷静になって自らを省みると「お世話になっている。感謝の気持ちは忘れてはいけない」と謙虚な気持ちを思い返した。すると不思議なことに次の日から好転しだしたのです。
本当に陰陽の流れというものは、自分の心掛けに応じて如実に現れるもの。人生とはそういうものなのだと、思い知りました。
陰の気が強い時ほど平静さが必要。不安や心配事に必要以上に怯えるのではなく常に正しい心で。人生は何が起きてもおかしくないのだから、悪いことが起きた時は観念してしっかり受け止めるしかない。
逆に陽の気が強い時も平静さが必要。浮き足立つ事なく、勢いづくこともなく常に正しい心で。人生良いことばかりではないのだから、良いことが起きた時は有り難く感謝の気持ちで享受する。
悪い時は恐れすぎず、良い時は喜びすぎず。陰陽移り変わる人生だからこそ心の中庸を保つ。易経は常にそう諭してくれているような気がします。