そもそも「自分の力が及ばない事も多々ある」ことを忘れていませんか?
拝啓、お元気ですか?
私が最近感じている悩み、身近な人の色々な悩みを聞くにつれて、実は私達は「自分の力が及ぶ」と思っているからこそ、対人関係で衝突したり謙虚さを欠いたりするのではないかと思うような気がしてきました。
いやもちろん、心理学的には自己効力感というのは大切なのです。
自己効力感とは
つまり『自分は出来るという自分の能力への期待や自信』とでも言いましょうか。これがないと、モチベーションは下がるし新しいことや問題を乗り越えようとするチャレンジ意欲なども無くなってしまいます。
しかしこれが過大になってしまうと『全能感』になってしまう危険があると思うのです。
全能感とはこちらによると「自分は何でも出来る」と自分の能力を過大評価してしまっている感覚を言います。
この違いって微妙なようで大きな違いだと思うのですよね〜。
つまり。全能感とは「自分は何でもできる」と過大評価してしまっている感覚。対して自己効力感とは「自分はできる」と自分の能力に期待し自信を持つこと…過大評価ではなく。紙一重だけどこの差って大切だと思う
— 仲野 恵(Kei Nakano) (@keinakano10) November 13, 2019
ただ自己効力感はちょっと過ぎれば全能感になってしまうのではないか。自分たちは無意識のうちに「自己効力感」という殻をまとった「全能感」を持ってしまっている時があるのではないか。そんなことを考えていたのです。
例えば部下に問題行動がある。
もちろん上司である自分はその問題行動を改善しようとする。諭したり、注意したり、叱咤激励したり。でも自分があの手この手と苦心して働きかけているにも関わらず、部下の問題行動はなかなか治らない。
問題行動が治らない部下に対しイライラしたり、自分の指導の仕方が悪いのではないかと自信をなくしたり、何故なんだと悩んだり…結局ストレスを溜めていく。
もちろん、自分の指導の仕方が悪いのかもしれないし、その部下がよっぽどの問題児なのかもしれません。
でもふと思ったのです。
「自分の力が及ばないことは多々ある」
このどこか謙虚な認識を持っていれば、自分のままならない事にこれほどまでに落ち込んだりイライラしたりストレスを感じることもないのではないかと。
もちろん自分の能力を信じる「自信」は大切です。前を向いて生きていくためにも。でも同時に大前提として「世の中には自分の力が及ばないことは多々ある」という謙虚な認識を持っておくことも大切なのではないかなと思うのです。
「世の中には自分の力が及ばないことは多々あるが、今回はありがたい事にうまく部下を説得出来た」
「世の中には自分の力が及ばないことは多々あるが、今回はありがたい事にこの事業はうまくいった」
「世の中には自分の力が及ばないことは多々あるが、今回はありがたい事にうまく目標を達成できた」
あくまでも自らが真面目に努力する事は前提ですが、「自分の力が及ばない事も多々ある」これぐらいの謙虚さを持っておくと、落ち込んだりストレスを溜めこんだりする事なく、もっと生きやすくなるのではないかなぁと思うのです。