優秀な人ほど自分を過小評価する傾向にある理由
拝啓、お元気ですか?
マインドフルになる上で大切な能力に「自己認識」があります。自己認識とは自分の内面を知ること。自分の内なるものへの明瞭さとでも言いましょうか。
自己認識は3つの要素から成り立ちます。
- 情動の自覚:自分の情動に気づく力
- 正確な自己査定:自分を客観的に査定する力
- 自信:自分を信じる力
この中で「2.正確な自己査定」に関してEQの提唱者であるダニエル・ゴールドマンは興味深い研究結果を発表しています。
数百人の管理職を調べると、正確な自己査定ができる人がたいてい優れた実績を上げていた。・・・正確な自己査定能力を持った人は、自分の能力や限界を自覚しており、フィードバックを求め、失敗から学び、改めるべき部分も承知しているし、自分の短所を補うような長所を持つ人と協力すべきとも心得ている。・・・
平均的な実績をもつ人はたいてい、能力全般の査定で自分の長所を過大評価するのに対して、優れた実績をもつ人はそれは稀で、彼らはどちらかと言えば過小評価しがちだった。自分に対して高い基準を課している証拠だろう。
高い実績をあげる人ほど、自己査定を過小評価しがちである、というのです。
また同時に、高い実績をあげる人は「3.自信」を持っています。ここでいう自信とはうぬぼれとは違います。自信とは“無条件”に自分を信じる力。自分は賢いからとか才能があるからとか金持ちであるからといった“条件”に基づいた自分を信じる力ではありません。
昔、自信について私の考えを大きく変えた言葉があります。
あなたが大きく失敗した時、周りの人はあなたへの信頼をなくすかもしれません。誰もあなたの事を信用してくれなくなるかもしれません。でもただ一人だけ、あなたの事を信じ続けてくれる人がいます。それはあなた自身。他の誰もがあなたを信用しなくなったとしても、あなただけは“無条件”にあなたの事を信じる事ができる。「勉強ができる」「仕事ができる」「才能がある」そんな条件が何一つ無くても、他の人が誰もあなたを信じなくても、あなただけは無条件であなたを信じてあげて下さい。それが揺るぎない本当の自信です。
無条件に自分を信じる心、それが本当の自信です。そしてこれを手に入れた時、成功したからといって自信を持つ訳でもなく、失敗したからといって自信を失う訳でもない、何事にも左右されない、ずっと安定して心の奥底にある「本当の自信」を得ることが出来るのです。